「ピュアオリーブオイルって、ピュアじゃないんだよね」
先日会った友達の一言にビックリした私。
ピュアオリーブオイルがピュアじゃないって、どういうこと?!
今回は、オリーブオイルについて調べてみました。
ヘルシーな食材として、日本でもすっかり定番となったオリーブオイル。
オリーブオイルは、産地の気候や品種によって色、香り、味わいが異なります。
主な生産国は、スペイン、イタリア、ギリシャなどです。
オリーブオイルは、製法によって次の4種類に分けられます。
①ヴァージンオリーブオイル
オリーブの果実を生のまま絞ってろ過しただけの、一番搾りの100%生オイル。
なかでも、エキストラバージンオリーブオイルは最高級品質。
②精製オリーブオイル
①のバージンオリーブオイルを溶剤抽出など化学的に精製したもの。
③オリーブオイル
①のバージンオリーブオイルと②のオリーブオイルをブレンドしたもの。
④オリーブポマースオイル
バージンオリーブオイルを絞った残りの部分(ポマース)を溶剤等で精製したもの。
「ピュアオリーブオイル」が、上記のどれに当てはまるかと言うと、実は③のオリーブオイルに属します。
つまり、「ピュアオリーブオイルはピュアじゃない」と言う友人の発言どおり、ピュアオリーブオイルは精製オリーブオイルを含んでおり、純度100%ではないのです。
ちなみに、現在は「ピュアオリーブオイル」ではなく、単に「オリーブオイル」と表示することになっているようです。
しかし、オリーブオイルの話はここで終わりではありません。
いろいろ調べているうちに、オリーブオイルに関する新たな疑惑を発見したのです。
そもそも、オリーブオイルを大量に摂取する地中海地方の人々に心臓病が少ないことから、オリーブオイルが健康に良いとされ、世界的にオリーブオイルが大流行しました。
オリーブオイルの主成分であるオレイン酸が悪玉コレステロールを減らすことから、オリーブオイルは動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞、脳卒中などの心血管疾患の予防に役立つことが期待されたのです。
しかし、ここ数年の研究により、オリーブオイルの効能が疑われるようになりました。
研究結果から、地中海地方の人々が健康なのはオリーブオイルの効果ではなく、新鮮な魚介類や野菜などをたっぷり摂るからではないかと言われるようになったのです。
なぜなら、オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は必須脂肪酸ではなく、バランスの取れた食事をしていれば十分補えることがわかったのです。
むしろ、魚介類に含まれるDHA、EPAなどのオメガ3脂肪酸の方が、心臓病や脳卒中などの心血管疾患障害の予防に効果があるとみられるのです。
更に、オリーブオイル業界にはもっと深刻な問題が起きています。
オリーブオイルの品質が危機に瀕していると言うのです。
現在、世界中でオリーブオイルの偽物が蔓延しているそうです。
イタリアの捜査当局により、オリーブオイルの最高グレードである「エキストラバージン」と表示されたものに、精製オイルやオリーブ以外の原料からつくった安いオイルが混ぜ込まれているケースが相次いで発覚しました。
これらの背景には、政府と業界の癒着やマフィアの暗躍など、さまざまな要素が絡み合い、偽装オイルがイタリアのマフィアの資金源となる一方で、良質なオリーブオイルの生産者は経営の危機にされされていると言うのです。
日本なら品質管理にうるさいから安心できそうな気がしますが、なんと日本にはオリーブオイルの品質に関する法的規制がないのです。
そのため、日本のスーパーマーケットなどで売られるエキストラバージンオリーブオイルの8~9割は化学処理された安いオイルをブレンドした偽物だと言う関係者さえいます。
ここで、ひとつ面白い実験結果をご紹介しましょう。
これは、TV番組「所さんの目がテン!」で2014年1月5日に放映されたものです。
日本人とイタリア人各10人に、3種のオリーブオイルを名前を伏せて試食させ、一番おいしいと思うものを選ばせたのです。
その結果、イタリア人は全員が最高級のエキスストラヴァージンオリーブオイルを選んだのに対し、日本人は全員がそれ以外の安いオリーブオイルを選んだのです。
最高級のエキストラバージンオリーブオイルは、品種や産地によって異なりますが、独特の香りがしたり、苦みがあったりと癖があるのに対し、一般のオリーブオイルはブレンドされているため、癖がなく味がマイルドなのです。
この実験結果からわかるように、そもそも日本人の舌には、最高級のエキストラバージンオリーブオイルの味は合わないようです。
よって、味を重視するのであれば、バージンオリーブオイルにこだわる必要はないということですね。
一般的に、バージンオリーブオイルはその独特の香りを楽しむため、サラダなどにかけて生食するのに向いており、オリーブオイルは焼き物や揚げ物などに向いていると言われます。
もちろんお好みに合わせて、どちらのオリーブオイルも様々な食材や調理法に使用することができます。
さて、オリーブオイルに関するあれこれをご紹介しました。
今度スーパーに行ったら、どんなオリーブオイルが並んでいるか確認してみてください。
価値観は人それぞれですので正解はありませんが、消費者として、値段だけでなく様々な観点から商品を選ぶことは大切です。
最終的には、お好みの食材を選んでいただき、楽しく食事ができたらいいと思います。
最後に、国産オリーブ生産者のサイトをご紹介します。
各生産者のサイトには、オリーブオイルを使ったレシピなど役に立つ情報満載です。
それに、生産者の顔が見えると安心ですね。
国産オリーブオイルに興味のある方は、是非チェックしてみてください。
<参考サイト>
・オリーブ・オイル(wikipedia)
・オリーブオイルの豆知識(BOSCO)
・日本オリーブ協会(JOA)
・Believe in Olive Oil(インターナショナル・オリーブ・カウンシル(IOC))
・「オリーブオイルはヘルシー」は大嘘!「本物」をうたった粗悪品が蔓延(Business Journal/株式会社サイゾー)
・エキストラバージンの嘘と真実 スキャンダルにまみれたオリーブオイルの世界(日経BP社)
・Kagawa Olive
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